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メディアPR戦略コラム!PRestの「テレビ報道の仕掛け方」

第4回 知られざる番組制作の現場〜制作ディレクターの苦悩〜

2009年3月17日

 
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皆さま、こんにちは。PRest株式会社、鈴木秀逸です。

前回、テレビ番組の種類をご説明し、狙い目は情報番組・ワイドショー番組というお話しをさせていただきました。今回は、番組制作の知られざる現場についてお話しします。

●テレビ番組の特徴を知る

 テレビ番組を分析してみるとわかると思いますが、その大半は女性を意識した番組作りをしています。これは現代の消費社会の中心は女性であり、市場に出回っている製品の多くが女性をターゲットとしたもの、ということからも当然と言えば当然です。『テレビといえども同じ』このことを理解しているか、していないかで、PRの方法も、効果も変わってきます。

 端的に言えば、
「わが業界では大変な新発見ですので、絶対取り上げるべきです!」
 などとPRするよりも、その新発見が女性(視聴者)にどう関係するのかを伝える必要があるということです。

 「うちの商品は女性と何の関係もないなぁ……」
 と思う人がいるかもしれませんが、心配ご無用。女性に興味を持ってもらう術はいくらでもありますから。それは後々記します。

●番組制作の現場

一、制作ディレクターの苦悩

 これまでの連載で、なんとなく、PR活動の対象としてのテレビという世界が、つかめてきたのではないかと思います。そこで次に、制作ディレクターの実態を説明します。私が携わっていた「情報番組」社会の内情だと思ってお読みいただければと思います。

 テレビ業界の人間は非常にハードなスケジュールのもと、時間に追われて仕事をしているというイメージが世の中にはありますが……これはまさしくその通り。
 帯番組では日々違う内容、しかも数字(視聴率)の取れるコンテンツを放送しなければいけないのですが、そうそう毎日うまい具合にネタが転がっているわけはなく、来る日も来る日もネタ探しが悩みの種。

 ところでテレビ業界の仕事は、ある意味、他力本願な仕事と言えます。
 自分たちで、何かを生み出すのではなく、他人様の功績、事業、あるいは活動を取材しなければ、成り立たないのですから。取材先あってのテレビ業界と言ってもいいのかもしれません。

 当然、苦労して見つけたネタでも、取材先の都合が、放送スケジュールや撮影スケジュールに合わず、泣く泣く断念しなければならないことも多々あるのです。一番調整が難しく、多くのテレビマンが涙を呑む時期は、盆暮れ正月・ゴールデンウィーク。昔は商売人の稼ぎどきなんて言われていたようですが、現代では多くの会社が一斉に休みを取り、社会の動きがストップします。

 企画成立直前までこぎつけても、
 企業「で、取材日はいつごろになるんでしょうか?」
 番組「5月2日の昼ごろでお願いします。」
 企業「申し訳ございません。その日は……」
 ということもよくありますし、取材依頼の電話をすると休みで、誰とも話をすることができず、人知れず「お蔵入り」になってしまったことも度々ありました。

 テレビマンにとって、ネタが見つからない、もしくは目当てのネタがこける(お蔵入り)となるとこれはもう大変です!ネタが決まるまで、自宅に戻ってゆっくり眠るなんてことは許されません。

 私のAD(アシスタント・ディレクター)時代は、上司であるディレクターからネタ探しの至上命令を受けて、テレビ局内にある、新聞・雑誌などを保管する「資料室」に、缶詰にさせられることなど日常茶飯事でした。

 全国紙・地方紙・産業紙はもちろん、ありとあらゆる雑誌に手を伸ばし、放送できそうなネタ探し。2〜3週間も前に発行されたものまでさかのぼり、隅から隅まで目を通していきます。やっとのことで見つけて、ディレクターに提出しても、OKがでなければ、資料室に舞い戻り、見落とした情報がないものかと、再度同じように、ありとあらゆる新聞、雑誌に目を通すのです。
 めぼしいネタが見つかってディレクターのOKが出ない限り、何度でも見つかるまで、ディレクターのデスクと資料室の往復を繰り返し、すでにチェック済みの大量の新聞や雑誌を穴があくほど見続けるわけです。

 自分が担当するコーナーの放送日を目前に控えたディレクターは、必死でネタ探しをします。その形相から、OAが近いディレクターがわかってしまうくらいですから、尋常じゃないですよね。


二、「できません」は死んでも言えない

 では、なぜそんなに必死にネタを探すのか……。
 それには様々な要因があります。

 その一つとして、面白いネタを放送し続ける=クリエイターとしての能力を示し続けないと、どんどん有能な人間が登場してきて、
 「お前がいなくたって、替えはいくらでもいるんだからな」
 こんな宣告をされてお払い箱になってしまうのでは、というリストラ恐怖症が身に染み付いている業界ということがあるでしょう。

 しかし、もっとも恐ろしいのは、スポンサーが広告枠(CM)を買うために、数千万円もの大金を支払っているコーナーを、自分ひとりの責任で完成させなくてはならない、というプレッシャーです。
 ネタが見つからないからと言って、同僚のディレクターがネタを譲ってくれることはありません。同僚にだってそんな余裕はありませんから。もちろん、上層部がネタを用意してくれることもありません。

 決まらないのは担当ディレクター個人の能力の問題なのです。加えて、自分がネタを決められないと、迷惑を掛けることになる人間の数が半端ではないのです。スポンサー企業はもちろん、番組スタッフ、番組プロデューサー、放送局の営業担当者、自分の所属する制作会社にまで被害がおよびます。毎度毎度の放送で「数千万円の責任」というプレッシャーが自分にのしかかってくるのは、並大抵のストレスではありません。

 私が働いていたときにも、そのプレッシャーをめぐる事件がありました。
 とある日、放送を終えたスタッフルームに一本の電話が鳴り響きました。電話の主は、その日、ロケを担当していたカメラ技術のクルーからでした。

 「出発時間になってもディレクターが姿を見せないんだけど、スタッフルームにいる?」との問い合わせです。
 スタッフルームに姿はなく、あわてて、手の空いている人間で心当たりを探して見たものの、一向に見つからない。自宅に連絡を入れても本人は不在、家族は行方を知りませんでした。

 幸い、撮影スケジュールを記した紙が見つかり、代理の撮影ディレクターが取材現場に向かうことで落ち着きました。
 代理が現場に到着してみると、担当ディレクターが行方をくらませた理由がすぐに判明。なんと、スケジュールに記されていた現場では取材拒否をされており、次の現場は改修工事の真っ最中で、とても撮影できる状況になかったのです。

 担当ディレクターは、代わりのネタが見つからず、コーナーが埋まらないと悟り、恐ろしくなって逃亡してしまったのです。
 話は少し逸れてしまいましたが、テレビマンは失踪してしまうほどのプレッシャーを常に抱えながら、いつも仕事をしているのです。

 ちなみに、コーナーに穴が開いた場合は、ほかのニュース枠などの時間配分を増やして対処します。めったにありませんが。

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筆者プロフィール

  • PRest株式会社 鈴木秀逸
  • PRest株式会社
    鈴木秀逸(すずき ひでとし)

  • 専門学校在学中より、日本テレビ系の特別番組での制作現場に入り浸り、以降は「ズームイン朝」「ズームインSUPER」の専属ディレクターとして活動。生中継枠、流行枠、芸能枠、特集枠などを担当し優秀な放送内容に送られる賞を多数受賞。2007年PRest株式会社設立、代表取締役に就任。局・番組を問わず多数の友人を持ち、メディア側の企画意図を熟知した情報の仕掛けに定評がある。

    パブリシティは「情報を仕掛けて、メディアを動かす」が指針。超攻撃型の対メディアPR戦略を展開中。

    PR会社/テレビPR戦略のプレスト

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