第5回 経営者に聞きたい!〜私たちのまち、かわさき〜

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今回は、舞台美術のプランニングや演出照明、展示会でのブース設営などを中心に手がける傍ら、木製電動車椅子「吉田いす」の開発と販売を行う株式会社メックデザインの井上和夫さんにお話をお伺いしました。

掲載日:2009/09/03



―― まずはじめに、「メックデザイン」の事業やサービス内容をお聞かせください。

コンサートやイベントなどの舞台照明のデザインを皮切りに、「トラス」と業界では言っている舞台の骨組みを設計施工したり、展示会やイベントでのブースの設営施工などをしたりしています。
展示会ブースのトラスはアルミ素材が主流なのですが、当社では舞台やステージで培ってきた演出照明のノウハウを活かし、透明な素材のポリカーボネート製のトラスで「魅せる」という演出とデザインにこだわりを持っています。


―― 舞台照明を始められたきっかけなどを教えてください。

デザインの専門学校でグラフィックデザインを勉強して卒業したとき、知り合いに紹介されて舞台照明の仕事を手伝ったのがきっかけです。その10年後、国費留学としてロンドンで1年の間、当時の舞台照明の最先端技術や日本の常識をくつがえす斬新な演出方法など、刺激的なことをたくさん経験させてもらいました。
帰国後に手がけた矢沢永吉さんの武道館コンサートで、自分が学んできた全てを出し切った照明演出に高い評価をいただき、アルフィー、高中正義、バービーボーイズ、TRF、安室奈美恵などメジャーなアーティストのツアーに始まり、セビリア万博ジャパンウィーク、ハノーバー万博、愛知万博等の大型案件も任せていただけるようになりました。




―― 華やかな事業を行う一方で、木製電動車椅子の製造もされています。きっかけは何だったのですか?

木製電動車椅子を作ろうと思ったのは、小学校からの親友・吉田和正君が筋ジストロフィーという難病にかかったことがきっかけなのです。
彼の「いかにも医療用というデザインのスチール製で重苦しい車椅子に乗るたびに、『おまえは病気なんだぞ』と見せ付けられているようで気が滅入る。周囲の目も病人を見る目になる。」という言葉を聞き、自分にも何かできないか、と。
そして“舞台照明の演出家”という畑違いなればこそのアプローチとして、木製の電動車椅子が生まれました。


―― 舞台演出とはまったく畑違いの取り組みですから、困難なことも多かったのでは?

全てが困難でした。(笑)
多少のメカ的知識があるとはいえ舞台演出の人間がものづくりをしよう、しかも使ったこともない車椅子を作ろうというのですから、何から何まで難しかったです。車椅子の構造を調べ、海外のパーツメーカーとも直接のやり取りを行いながら、試しては失敗しを繰り返しました。
また、温もりのために座席は木製にこだわっていましたから、金属と木製のジョイントにも苦労しました。

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株式会社メックデザイン
株式会社メックデザイン
http://www.mec-systems.co.jp/

グラフィックデザインから舞台照明、そしてブース施工へとクリエイティブの追求を続ける井上氏。そこから生み出されるプロダクトには、常に「楽しさ」と「他者へのやさしさ」が込められている。
現在はトラスを主軸としたステージ設営事業のためカンボジアに現地法人を設立し、政情不安によって揺らぎ続けるカンボジアの文化復興という大テーマにも取り組む毎日である。
そんな井上氏の信条は「もし自分にできるのならば、自分にはそれを為す義務がある」であり、吉田いすも「それを必要とする人」のために自ら採算度外視で開発を決意したプロダクトである。

吉田いす

所在地
神奈川県川崎市多摩区登戸133
TEL
044-911-9521
FAX
044-911-9524
E-Mail
info@mec-systems.co.jp

 

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