第7回 経営者に聞きたい!〜私たちのまち、かわさき〜

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今回は、ビジネス性の高いロボット技術の開発を通じ、私たちの生活に豊かさや安全性をもたらす事業活動を行っている株式会社イクシスリサーチの山崎文敬(やまさきふみのり)さんにお話をうかがいました。

掲載日:2009/11/16

―― まずはじめに、「イクシスリサーチ」の事業やサービス内容をお聞かせください

一言で言えば、ロボットを研究、開発、設計し、製造販売しています。
例えば、「工場内に張り巡らされたパイプの中の点検」という作業をする場合、人間が中に入って行けないということもありますが、安全面から見てもロボットの方がはるかに効率的に作業できます。しかも、点検時には工場の操業を停めるのですから、作業の早さも求められます。イクシスリサーチでは、こういった時に欠かせないロボットを開発しています。
そして、開発から販売まで一貫しているのは「人とロボットが関わり合う安全なシステムづくり」です。
それは、「人ができることとロボットができることを棲み分ける」と言いましょうか、人間でもできることを、あえてロボットにさせることはないと思うのです。
例えば、パイプの中を点検していて「傷なのかゴミなのか」をロボットに見分けさせるシステムと機能を組み込むのは、たいへんな労力と時間と経費がかかります。それよりもロボットがカメラで写した画像を転送して、人間が目視で確認するというシステムの方が現実的ですし、何より正確なのです。
また、ロボットであれ何であれ、「絶対壊れない」ということはないのです。故障した時に暴走しないことはもちろん、作業員の方でも簡単にしかも早く復旧できるようなシステムを開発しています。


―― ロボットというと鉄腕アトムのような人型ロボットを想像してしまいますが、そういうものでもないのですね

単純にロボットというと人型ロボットを想像する方も多いと思いますが、決して「ロボット=人型」である必要はないのです。
イクシスリサーチでも何度か人型を出してきましたが、人型ロボットを「自立させ、歩行させ、停止させる」となると、バランスを保つために各パーツを制御する駆動系システムの設計にとてつもない労力がかかります。移動ということだけを考えれば、「二本足(=人型)でなければならない」という条件は必要ないと思うのです。
要するに、人型ロボットには夢はあるかもしれないけれど、現実とつながりにくいというか。
「ロボットに何をさせたいか」という本質的ニーズや現実が、「ロボットは人型であるべき」という夢と、今はまだマッチングしていないように思うのです。



遠隔操縦型点検検査ロボット

―― そもそも、ロボットの事業を始められたきっかけは?

子どものころからラジコンをいじっていれば満足な「ラジコン少年」でした(笑)。
NHKの「ロボコン」を観て、「これに出たい」と思い大学と学部を選んだようなものです。大学1年生の時に「ロボコン」にチームキャプテンとして出場を果たし、3年生の時にロボットにサッカーをさせる「ロボカップ」の国内予選で初出場・初優勝を飾りました。
でも、お金のない学生にとっては材料費を捻出するだけでも四苦八苦しているのに、チームが海外へ行くお金なんてないのです。
困っていると、ロボカップの発案者の一人でありロボット界で著名な北野宏明先生から「ロボットの技術をほしがっている会社はたくさんあるだろうから、君たちの技術を売ればいいのでは?」というアドバイスをいただいて作ったのが、イクシスリサーチなのです。
先生にお会いした帰りに、本屋で「会社の起こし方」みたいな本を買って帰りました。

【遠隔操縦型点検検査ロボット】
住宅の床下点検をはじめ、石油化学プラントのような人が入って作業するのが困難な場所で、人に代わって点検検査業務を行うロボットです。遠隔操縦型で、ロボットに搭載されたカメラやセンサを利用して様々な点検を行います。


―― 経営される上で、苦労されたことや嬉しかったことなどありますか

会社の生い立ち自体が、「ロボットの材料費を稼ごう」とか「ロボカップの遠征費を捻出しよう」ということが目的ですから、会社と言ってもいわば部活動のようなもので、私自身も社長というより「サークルの部長」のような感覚でした。ですので、キャッシュフローがどうこうとかなど経営に関することなど全然わからずにいましたから、いつも資金難に陥っては技術を売って、という自転車操業でした。
でも、そういう時期を経験してきた現在は、仕様書通りにロボットを仕上げて納品し、無事に起動させ、お客様に「役立っていますよ」とか、「導入してよかった」と言っていただけるのが一番嬉しいですね。

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株式会社 イクシスリサーチ
株式会社 イクシスリサーチ
http://www.ixs.co.jp/

「"ロボット"とは、上位の概念だと考えています。」と山崎氏。例えば“人間の機能のコピー”という物理的目標や技術的目標から始まる存在ではなく、身近な生活に役立つ実用性の高い要素技術の集合体に駆動システムを加えたものが、結果としてロボットと呼ばれるのであると。イクシスリサーチのプロダクトは常にこの思想が貫かれ、人間の日常生活を助けつつ、時としてその生命をも守るロボット達が開発されている。
山崎氏はその究極の目標を、箸やスプーンのように日常的な実用品として使えるロボットを、人々の生活の中でスタンダード化していくことであると語った。

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経営者に聞きたい!私たちのまち、かわさき

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第6回 造形美術有限会社 アトリエ・ゼロ 神野和夫さん

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第3回 リ・バース株式会社 生田篤識さん

第2回 ファブリス株式会社 鈴木眞二さん

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